ヒルナンデスや世界一受けたい授業などのテレビ番組で紹介された書籍「その料理、9割の栄養捨ててます」が話題となっています。
食は健康の源。
食事から得られる栄養素は美容やダイエットにおいても重要で、みなさん情報収集などされていると思います。
「この食材が肌に良い」とか「この食材はダイエットに効果的」と薦められ実際に試している方も、実は適切な調理をしていないせいで1割程度しかその恩恵を受けていない可能性があるというのです。
書籍では食材の切り方・下ごしらえ・加熱・保存・調理において、「食材本来の栄養素を無駄にしない」「栄養値が数倍にも上がる」方法が最新のエビデンス付きで解説されています。
中にはこれまでの常識を打ち壊す新説もあり、料理好きの方や健康オタクの方が思わず喰らいついてしまうような内容も多く含まれます。
今回はこの書籍の中から「美容」「ダイエット」に大きく関係するものをピックアップし、エッセンスのみご紹介させていただこうと思います。
食材に含まれる栄養素の今と昔
野菜の栄養素は昔より激変しています。
例えばほうれん草のビタミンCは50年前に比べ1/3に減少、鉄分は1/6まで減少しているそうです。
ほうれん草といえば鉄分。貧血予防といえばほうれん草です。
また、ほうれん草のビタミンCに美容効果を期待している方も多いと思います。
これらの効果は昔ほど期待できないということです。
そしてそれが野菜全般にいえることだそうです。
そこで重要となってくるのが調理方法です。
食材に含まる栄養素を最大限に引き出す。
これが肝となることが書籍の冒頭に書かれています。
食材の切り方・下ごしらえ
まずは食材の切り方や下ごしらえについてです。
書籍では白菜、玉ねぎ、ピーマン、ニンジン、ニラ、ほうれん草、ニンニク、リンゴ、いちご、レモンなどについて、栄養素を失わないための切り方や下ごしらえの仕方が記されています。
美容、特にスキンケアに取り組んでいる方にとって重要な栄養素といえばビタミンCですよね。
ここでは前述したほうれん草、ビタミンCが豊富な果物として有名ないちごとレモンの切り方について、書籍の一部を引用してご紹介します。
ほうれん草は鮮度が命
ポパイがほうれん草を食べて暴れまくるのは昔の話。
今のほうれん草は昔のほうれん草とは違うという衝撃的な事実が判明しました。
貴重な栄養素。どのように下ごしらえをすると摂取量が上がるのでしょう。
葉物野菜は面積の多い葉からどんどん水分が抜け、しなびてしまいます。
また常温保存だとビタミンCが1日で60%も減ります。
なるべく、鮮度が高いうちに食べるか、アク抜きをして冷凍を!引用:書籍「その料理、9割の栄養捨ててます」
まず、ほうれん草は鮮度が命だということ。
サクッと下ごしらえして食べる、もしくは冷凍してしまうかがコツだそうです。
茹でる前に切ってしまうのは絶対NG!切り口からどんどんとビタミンCが流れ出てしまいます。
ほうれん草は茹でているうちに4割ものビタミンを失ってしまうんです。
これを抑えるためにも、ほうれん草を切るのは「茹でた後」が鉄則。引用:書籍「その料理、9割の栄養捨ててます」
そして切るタイミングとしては茹でた後がベストだそうです。
ただでさえ今のほうれん草はビタミンが少ない。
そこを4割も持っていかれたんじゃたまりません!
書籍ではベストなアク抜き方法も紹介されていますので、気になる方は書籍をチェックしてみてください。
いちごのビタミンCを無駄にするな
ちょうど今が旬のいちご。
ビタミンCが豊富なことで有名ですが、そのビタミンCを垂れ流しにしてしまっている可能性があるんです。
茎から栄養を受け取るいちごの果実。
ヘタの部分に、実はいちばんビタミンなどの栄養が詰まっているんです。引用:書籍「その料理、9割の栄養捨ててます」
一番やってはいけないことがヘタがついた部分を包丁で切り落としてしまうこと。
栄養がつまった大切な部分を捨ててしまうことになります。
いちごを洗ってから手でヘタを取るのがベストだそうです。
ヘタを取ってから洗うと、水に溶ける性質を持つビタミンCが解けてしまいます。
食べ方としても、ヘタがついていた側から食べると甘みを感じられ美味しくいただけるそうです。
このへんはテレビなどでも多く紹介されていますね!
レモン
ビタミンCといえばレモンです。
このレモンのビタミンCを通常の3倍摂取できる方法があるそうです。
レモンの果汁を逃さない切り方が、レモンを斜めに切る「X切り」。
縦半分に切ってからくし切りにするやり方では、切り口がちょうど薄皮にあたってしまいレモンが十分に絞れません。
しかし、斜めに切ることで、果肉が均等に切れ、通常より3倍もの果汁を搾り取ることができます。引用:書籍「その料理、9割の栄養捨ててます」
これを実践されている方は少ないのではないでしょうか。
普通に縦半分に切るものだと思っていました。
これは他の柑橘系フルーツにも応用できますね!
食材の加熱方法
続いては食材の加熱方法についてです。
茹でジャガイモやキャベツのスープ、ゴーヤの下茹など「このやり方だと栄養を損してますよ」という内容を挙げつつ、最適な加熱方法について解説してくれています。
今回はアンチエイジング効果が期待できる「長ネギ焼き」、ごはんの代わりに食べることが流行になりつつある「カリフラワー」、カキタンニンによる美容効果が話題の「干し柿」について、書籍の一部を引用しながらご紹介させていただきます。
長ネギは焼きで
長ネギ焼きって美味しいですよね。
実はこの食べ方、大正解だったようです。
長ネギの白い部分には「アリシン」が豊富。
血液をサラサラにし、殺菌効果もバツグンなんです!
ネギの抗酸化力は加熱することで2.5倍にUPします。
加熱に弱い野菜食材が多い中、珍しく加熱してこそ本領を発揮する食材だったんです!引用:書籍「その料理、9割の栄養捨ててます」
元々長ネギが持つ栄養素によるアンチエイジング効果。
長ネギ焼きにすることで、その効果が2.5倍もアップするそうです。
長ネギは焼くことで甘みも増します。
美味しくしかも健康になれる食べ方は「焼き」なんですね!
カリフラワーは生で
カリフラワーライスやブロッコリーライスなどごはんの代わりになることで話題となりつつある食材。
実は生で食べることでレモン果汁よりも豊富なビタミンCを100%摂取できるそうです。
ローカロリーでビタミンCが豊富。
水溶性の食物繊維やカリウムで便秘やむくみを防いでくれるとあって、美容面でも健康面でも、注目されている食材なんです!
実はカリフラワーは「生」でもおいしく食べられる野菜。
薄切りにしてサラダにすれば、ポリポリとした食感がやみつきになります。
カリフラワーのビタミンCは加熱に強く、茹でても6割程度は残ってくれます。
もちろん、生なら100%のビタミンがそのまま摂取できます。引用:書籍「その料理、9割の栄養捨ててます」
加熱することで4割減。
せっかくなら生で100%のビタミンをいただきたいところですよね!
なんとなく茹でるイメージがあるカリフラワー。
しかし、市販のサラダやレストランなどで食べるサラダには意外と生のカリフラワーが入っていたりします。
そんなカリフラワーですが、実は冬が旬の野菜。
普段はあまり買わない野菜かもしれませんが、栄養価的にも是非おすすめしたい食材です。
特にダイエットをされている方は、この冬に注目していただきたい食材のひとつです。
先日、イオンのプライベートブランドであるトップバリュから発売された「お米のかわりに食べるカリフラワー/ブロッコリー」について特集しました。
ご興味のある方は是非こちらの記事もご覧ください。
柿は生より干し柿で
美容成分としてカキタンニンが含まれる化粧品も多く、カリフラワーと並び注目の食材である柿。
味の好みはありそうですが、柿の食べ方として最適なのは干し柿だそうです。
柿に含まれる渋み成分・タンニン。
アンチエイジング効果や、高血圧や脳梗塞予防効果がありますが、便秘の人には逆効果な場合も。
ビタミンが豊富で、むくみを防止するカリウム、コレステロール値を低下させる食物繊維が豊富な柿。
デトックスやアンチエイジングにも最適なんです。引用:書籍「その料理、9割の栄養捨ててます」
美容だけでなく高血圧や脳梗塞予防などにも効果がある柿。
ただ、季節の果物なので食す機会もなかなか少ないのが現実です。
健康に良いといってもひとつだけ注意点があります。
カキタンニンには腸の蠕動運動を抑える作用があるため、摂りすぎることで便秘が悪化する可能性があるのです。
食物繊維が豊富なので便秘にも効果があるとされる柿ですが、摂取量を間違えると逆効果になります。
1日2個までが適量とのことです。
秋の味覚・柿は、栄養素のバランスがとってもいい果物。
体の中と外からキレイにしてくれるビタミン・ミネラルが豊富ですが、おすすめなのは生の柿より「干し柿」なんです。
干すことで甘みが4倍にも増すので、おいしく食べられるのはもちろんですが、ガン予防効果のβ-クリプトキサンチンが何と4倍に!
これはあらゆる果物の中でもNo.1の数字です。引用:書籍「その料理、9割の栄養捨ててます」
干し柿にすることで美味しさも栄養価もアップ!
ついでに日持ちもするので、秋だけでなく他の季節にも食べることができます。
味に少し癖があるのですが、干し柿を使った料理レシピも多く存在します。
主にドライフルーツのような使い方ですかね。
ちなみにわたしは干し柿を良く食べます。
素朴な味の食べ物は健康に良い。
これは自論です(笑)
食材の保存方法
続いては保存方法。
冷やすことがいいのか、凍らせてしまうのがいいのか、常温がいいのか…
食材によって悩むところです。
この記事では見出しだけ引用します。
書籍ではそのエビデンスを示してくれていますので、ご興味のある方は書籍にてご確認ください。
- トマトは冷蔵庫より常温保存!
- リコピンが最大60%増!!
- ジャガイモは「チルド室保存」で、2倍の糖度にしちゃおう!
- しいたけは日光浴でビタミンDを10倍に増やす!
- おいしさも栄養価も3倍の冷凍きのこ!
- 冷凍小松菜でビタミンCを守れ!
- 1週間でタマネギのポリフェノールを4倍に!
- 最長1ヶ月!?冷凍バナナで長持ち&アンチエイジング効果が倍増!!
- 冷凍保存でシジミのオルニチンを8倍増に!
- もやしはチルド室へGO!鮮度も栄養も9割キープ!
引用:書籍「その料理、9割の栄養捨ててます」
とりあえず冷凍したがりのわたしですが、この書籍で冷たいのが苦手な食材も多く存在することを知りました。
それぞれのエビデンスを読んでいくと「それならあの食材もこの保存方法で良いのね」と応用が利きます。
わたしのような料理経験の浅い男性でもこれさえ読めば的確な保存方法を学べますよ!
食べ方で栄養値が変わる
最後に調理方法についてです。
焼く、煮る、蒸すなど熱の通し方の違いだけではなく、一緒に合わせる調味料などによっても栄養値が変わってくるそうです。
具体的なレシピについては書籍をご覧ください。
この項も見出しだけの引用とさせていただきます。
- 骨付き鶏肉は「+酢」でカルシウムが1.8倍UP!
- ビタミンB1は食品中No.1!豚肉は茹でより焼き!
- 牛の赤身肉は3分以上火を通しちゃダメ!
- 豚レバーは肉類中ビタミンAがNo.1の栄養満点の王様!!
- ブロッコリーのガン抑制効果は切って放置で100%活性!
- レタスは生より加熱で2倍以上の栄養をゲット!!
- オクラの大事なネバネバ成分・ペクチンはお酢で倍増!!
- ショウガは生と加熱したものでは30倍効果が違ってくる!!
- ゴボウのアク抜きは不要!栄養素の4割を損していた!
- ナスのナスニンは油で100%摂っちゃおう!
- 青魚は加熱するとDHAが50%ダウン!!食べるなら刺身が最強!
- イカは香辛料で炒めるとタウリンが倍増!!
- みそ汁は50℃で健康効果を最大に引き出す!
- ゴマはすらないと栄養吸収率ゼロだった!!
- あつあつご飯に納豆はダメ!70℃で酵素が死滅!
引用:書籍「その料理、9割の栄養捨ててます」
どのレシピも数字や「倍増」などのワードを使い、その効果がわかりやすく解説されています。
この項にもいえることですが、非常に応用力が高い。
例えば「70℃で酵素が死滅」は酵素全般にいえることです。
酵素に熱はNG!ということがわかれば、他の食材の調理法にも活かせるわけです。
でも、あつあつご飯に納豆はおいしいですよね(汗)
まとめ
今回は書籍「その料理、9割の栄養捨ててます」についてご紹介させていただきました。
この書籍は食と栄養をテーマにしたものです。
ダイエットに挑戦されている方、アンチエイジングに興味がある方、美肌を目指している方、身体を鍛えたい方…
皆さん目的は違えども、「食」に対して求めることは共通だと思います。
必要な栄養を摂取したい!
もちろん美味しくいただきたい!
〇〇という食材は美容にいい。
△△という食材はアンチエイジング効果がある。
テレビ番組などでその食材が取り上げられ、次の日、スーパーから消える。
良くあることですが、それは一過性のものでしかありません。
要するにブームです。
なぜブームで終わってしまうのか。
それはその食材のみ食べ続けることができないからです。
飽きますし、栄養が偏ってしまいます。
この書籍では食材名を挙げ、栄養素名も挙げ、それをどのように仕込み、どのように調理することで「最大限に栄養を摂取」することができるのかが書かれています。
重要なのは食材ではなく栄養素。
それを楽しく学べるのがこの書籍です。
イラストや図解も多いので、これから料理を勉強したい方の教科書として最適です。
また、経験者の方でも思わず「そうだったの!?」と驚かれる内容も多いと思います。
興味のある方は是非読んでみてください。
とても良い書籍です。
ちなみにわたしはこの本をamazonの書籍読み放題サービス「kindle unlimited」で読みました。
実はこの本、kindle unlimitedの読み放題対象になっています。
この本は定価1,512円しますが、kindle unlimitedの会員になっていればタダで読めます。
kindle unlimitedは月額980円、しかも初回30日無料となっています。
もちろんサービス継続の必要がなければ30日の体験期間中に退会することもできます。
この本を読みたいのであれば、kindle unlimitedの会員になることをおすすめします。
詳細は以下のバナーにてご確認ください。
一般購入ならこちら。
電子書籍・紙媒体いずれもネットにて購入できます。
関連の書籍に「栄養まるごと10割レシピ」があります。
こちらも「栄養とりこぼしゼロ」という類似のテーマで、レシピ中心の内容です。